26歳の交換日記

1988年生まれのすみれとくみこの往復書簡

だれかわたしにどうやって明日を生きればいいのか教えて。(すみれ)

くみちゃんが復調してくれてよかったよー:)

 

ゆきつもどりつ人生はすすむ。

 

何だかそんな言葉が意味もなく頭の中を横切って行く。そういえば、わたしが前回の日記で引用したチェーホフ作・『3人姉妹』のイリーナはね、もともとすごく裕福な家の娘で、働いたことがないの。それで1幕の終わりには「労働こそが人生の喜び!わたし、泥だらけになって働きたい!働くことはなんて尊いことなのかしら!」みたいなことを叫ぶくせに、いざ働きだした数年後には「もう働くなんて沢山よ!まわってくる仕事が片っ端から憎らしい!」とか言うんだよね。これこそが人間の本質なんじゃないかって気がする。

風。こおろぎみたいなのが昨日の夜から鳴いてるぜ。もはや秋の予感。なんてあっという間なのかしら。1年なんて。

 

とにかくさ、わたしは起き上がれませんでした。昨日から稽古の時間まで。たぶん、気圧と「どうやって生きていけばいいのかわからない!」と叫びたくなる病が一気に襲ってきたせい。台風一過にわたしの人生も夢も希望もすべて吹かれていったのね。一瞬の覚醒時に窓から見上げた空、きれいだったなあ。まるでSF映画のようだった。黄色い一面の光の中を、大きな雲がわたしの頭上をすごい速さで通り過ぎて行った。

一体何時間眠っていたのやら。「実家に帰って甲子園を応援する」っていう最高の親孝行プランも水の泡ね。めちゃくちゃな風雨に加えてわたしの起き上がれない病。そういえば、わたしの母校は勝ちました。甲子園第一日目。わたし、アンチ母校なんだけど、まあでもやっぱり応援はするよね。勝ち進んでほしい。休みと試合がかぶったら、今度こそメガホンとチアリーダーやっとった時のユニフォーム持って帰省したい:P

 

夏って、恋の季節なんよ。しっとった?

 

わたしはあれからIさんが教えてくれた『監督失格』についていろいろネットで調べて林由美香さんについてやたらと詳しくなった(たとえばお母さんが『野方ホープ』の社長さんだったりとか)けれど、やっぱり今は見る勇気はない。作品として興味はあるけど、たぶん見たら、1か月くらいそのことしか考えられなくなるだろうから。刺激が強すぎるものは、避けるようにしているの。死って、それだけで、全てを呑み込んでしまうから。

 

わたし、当分は、誰にも、何にも、呑み込まれたくないのよ。

 


『監督失格』予告編 - YouTube