26歳の交換日記

1988年生まれのすみれとくみこの往復書簡

チェーホフとそれから(くみこ)

どうにか復調(交換日記に対するやる気という面で!)して、今日も淡々と書いてる。

 

昨日は楽しかったね。たしかにIさんは、ハードボイルドなのかもね。あの議論の感じ、タイムスリップしたみたいに変わらないなあと思った。

本当に小説にできそうだったよね。

(Iさん以外の人のために補足すると、「29歳の誕生日、あと一年で死のうと決めた」っていうテーマを模擬して、私とすみれさんとIさん――という、私とすみれさんがいた大学のサークルの男の先輩で、すごく退廃的な気分を漂わせているーーが三人で、キャンピングカーで一年間日本中を旅して、さあ終わりだ生きていこう、という雰囲気になったラストに、Iさんが「ひとりで死にたくない!」と私とすみれさんを巻き添えにして、キャンピングカーで崖から飛び降りる、というストーリーを妄想していたのでした。)

個人的には、最後の巻き添えにするシーンもいいけど、

きっとその前の晩なんかに、わりとさわやかで前向きな青春っぽい会話が繰り広げられるはずで、そこらへんを想像するとぞくぞくするよね……ふたりで書いてみようか……笑。

 

チェーホフ、すごく面白いね。

そういえば私もずっと「はつ恋」を読みたいと思ってて……ってここまで書いて、「はつ恋」はツルゲーネフだって気づいた。

軌道修正。

私は週末に夏目漱石の「それから」を読んでて、その世界にもすごく親しみを感じた。

「それから」の主人公は30歳の高等遊民(うらやましい)で、
「食べるために働くなんて劣等」で「贅沢をしないと生きている甲斐がない」みたいに考えているんだけど、
結局、友達の奥さんを好きになって、実家からは勘当されて、「暗黒のような社会と戦う覚悟」をするの。

私がいま欲しいのは、こういう「自分のうちから湧き出る覚悟と、そこに至る経験」なんだなあとつくづく思ってしまったわ。

 

そしてみんな、「働く」ということに対して同じようなことを、何年もぐるぐるぐるぐる考えてるんだね。そして、一昔前の小説は、正直すぎるくらい正直でいいね。

 

「停電ごっこ」がしたいな、って思ってしまった台風の夜。